保育士が転職を考える背景には、さまざまな理由があります。
スキルをより広く活かしたい、働く環境を改善したい、将来のキャリアを高めたい――それぞれの目的に合った選択が、転職を成功へ導くポイントとなります。
この記事では、転職活動の基本的な流れや注意点、取り組むべきタイミング、効果的な自己PRの作り方までを分かりやすく解説。初めての転職で不安を抱えている方でも、安心して進められるよう実践的なヒントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

理想の保育園選びは準備が必要不可欠!ここに時間をかけられるかが理想の職場選びを決定づけます。
- 保育士転職活動の全体的な流れと各段階でやるべきこと
- 転職活動を効率的に進めるための具体的な方法とコツ
- 内定獲得から入職までの手続きと注意点
保育士転職活動の全体像


保育士の転職活動は、大きく分けて以下の7つのステップに分かれます。
全体の期間としては、準備から入職まで最短で約2〜4ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。ただし、希望条件や求人の状況によって期間は前後します。
転職活動を成功させるには、タイミングが重要です。保育士業界では、新年度が始まる4月に向けての転職が多いため、その少し前の12月~1月あたりが求人が最も多くなっています。求人が増えるだけでなく、職場の受け入れ体制も整っているため、スムーズに新しい環境へ移行できます。
STEP1:転職の目的と条件の整理(1週間程度)
転職活動を始める前に、まずは「なぜ転職したいのか」「どのような職場で働きたいのか」を明確にしましょう。


転職理由の整理
転職理由を整理することで、求人選びの軸が定まり、面接での回答もスムーズになります。
保育士のよくある転職理由
- 給与・待遇の改善
- 人間関係の問題
- 労働環境の改善(残業時間、休日数など)
- キャリアアップ・スキルアップ
- 家庭との両立
希望条件の優先順位付け
すべての条件を満たす求人を見つけるのは困難なため、優先順位を付けることが重要です。
条件項目 | 優先度(高/中/低) | 具体的な希望 |
---|---|---|
給与 | 高 | 月給25万円以上 |
勤務時間 | 高 | 残業月10時間以内 |
休日 | 中 | 土日休み希望 |
通勤時間 | 中 | 30分以内 |
施設規模 | 低 | 特になし |



何度もいうように最初から完璧な職場を探そうとするのではなく、なぜ今の職場をやめようとしているのか求める職場環境はなんなのか+将来像まで考えられると具体的で良いです。
STEP2:情報収集・求人サイト登録(1〜2週間程度)


情報収集の方法
保育士の求人情報は以下のような方法で収集できます。
求人数が豊富で条件検索が可能、未公開求人が見つかる。面接等のサポートあり。
地域密着型の求人が見つかりやすい。
直接応募で採用担当者との距離が近い。
職場の内部情報が得られる。入職後の誤差が少ない。
保育園との直接のやりとりは価格交渉などの自分の意見を言いにくい環境になってしまうのであまりお勧めできません。知人からの紹介は給与面や職場環境に誤差が少なく結果として満足の高い転職活動になりますが、実際なかなかないことが現実です。
一方、転職サイトは24時間いつでも完全無料で登録可能。サイトによる特色はあるものの専門のサポーターによる手厚い指導が受けられること・条件のよい未公開求人があることが特徴です。


転職サイト登録のポイント
複数のサイトに登録することで、より多くの求人情報を収集できます。登録時は以下の点に注意しましょう。
- プロフィール情報は詳細に記入する
- 希望条件を具体的に設定する
- スカウト機能を活用する
- 非公開求人へのアクセス権を得る
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STEP3:応募書類の準備(1〜2週間程度)
履歴書作成のポイント
保育士の履歴書では、以下の点を重視して作成しましょう。
基本情報の記載


- 保育士資格の取得年月日を正確に記載
- 関連する資格(幼稚園教諭免許、チャイルドマインダーなど)も記載
- 志望動機は応募先の特色に合わせて調整
写真について


- スーツ着用での撮影が基本
- 清潔感のある髪型・メイクを心がける
- 笑顔で親しみやすい表情を意識
職務経歴書の作成


保育士の職務経歴書では、これまでの保育経験を具体的に記載します。
- 担当したクラス・年齢
- 園児数
- 行事の企画・運営経験
- 保護者対応の経験
- チームワークでの取り組み
詳しい職務経歴書の書き方については、下記の記事で詳しく解説しています。
保育士転職のやり方まとめ|履歴書対策から実技試験・入職まで | 保育士の転職ブログ
STEP4:求人応募・書類選考(2〜3週間程度)


応募のタイミング
保育士の求人は年間を通じてありますが、特に多くなる時期があります。
入職時期 | 求人が多い時期 | 特徴 |
---|---|---|
4月入職 | 1〜3月 | 新年度に向けて求人が集中 |
9〜10月入職 | 夏頃(6〜8月) | 秋の入職希望者に向け求人が増加 |
年度途中 | 随時 | 退職者や欠員補充のため不定期に募集 |
応募数の目安
一般的に、内定獲得までには5〜10社程度への応募が必要とされています。ただし、希望条件を絞りすぎると応募できる求人数が限られるため、バランスを考慮しましょう。
書類選考の結果
書類選考の結果は通常1週間程度で通知されます。不採用の場合も今後の参考になるため、可能であれば理由を確認しておくとよいでしょう。
STEP5:面接対策・面接実施(2〜3週間程度)


面接準備のポイント
保育士の面接では、専門知識だけでなく人間性も重視されます。



園児と保護者と密接に関わる職業なので人間性やコミュニケーション能力は切っても切り離せない要素です。
よく聞かれる質問
- 志望動機
- 転職理由
- 保育で大切にしていること
- 困難な状況での対応方法
- 保護者との関わり方
面接での服装
- ダークカラーのスーツが基本
- 清潔感のある身だしなみ
- 派手すぎないアクセサリー
- 動きやすい靴



転職理由に関しては、ネガティブな要素ではなくポジティブな要素を伝えるようにしましょう。


実技試験への対応
一部の園では面接と併せて実技試験が実施される場合があります。
- ピアノ演奏
- 絵本の読み聞かせ
- 手遊び・歌
- 制作活動
実技試験の詳しい対策方法は、下記の記事で解説しています。


STEP6:内定・条件交渉(1週間程度)


内定通知の確認
面接時に確認できていない項目があれば入職前に確認しておきましょう。
- 給与・賞与の詳細
- 勤務時間・休日
- 福利厚生の内容
- 入職日
- 試用期間の有無
条件交渉のポイント
条件交渉は適切に行えば、より良い条件での入職が可能になります。
- 客観的なデータを基に交渉する
例:地域の平均給与水準や、厚生労働省の統計データ、転職サイトの求人情報を参考に提示すると説得力が増します。 - 感情的にならず冷静に話し合う
「生活が大変だから」など感情的な表現ではなく、業務量や責任範囲に見合った待遇を求める形で伝えましょう。 - 妥協できる点と譲れない点を明確にする
例:給与は最低◯万円以上、残業の少なさは必須だが、通勤時間は多少長くても妥協できる、など事前に整理しておく。 - 相手の立場も理解する
園側にも人員配置や予算の制約があるため、「可能な範囲で検討していただけますか?」という柔らかい姿勢で伝えると交渉がスムーズになります。
内定辞退の際の注意点
他の園からも内定をもらった場合や、現職に残ることになった場合は、速やかに丁寧にお断りの連絡をしましょう。
STEP7:退職手続き・入職準備(1〜2ヶ月程度)


現職での退職手続き
円満退職のためには、適切な手続きが必要です。
- 退職の意思表示は1〜2ヶ月前に行う
- 引き継ぎ資料の作成
- 担当児童・保護者への挨拶
- 有給休暇の取得計画
円満退職については下記の記事で詳しく解説しているので御覧ください。
保育士の転職活動の流れ|登録から内定まで完全解説
新しい職場での準備
入職前に確認・準備しておくべき事項があります。
- 必要書類の準備(雇用保険被保険者証、年金手帳など)
- 健康診断の受診
- ユニフォームのサイズ確認
- 通勤経路の確認
詳しい入職準備については、こちらの記事をご参照ください。


転職成功のための重要なポイント


情報収集の徹底
転職活動を成功させるには、まず「正しい情報を幅広く集めること」が欠かせません。
- 園の保育方針・理念の理解
例:子ども主体の保育を重視しているか、行事中心なのかを調べ、自分の考えと合うか確認する。 - 職場環境・人間関係の把握
働いている保育士の口コミや園の雰囲気をリサーチ。見学や説明会での印象も重要。 - 給与・待遇の詳細確認
基本給だけでなく、賞与、手当、残業代の支給有無、退職金制度の有無なども確認。 - 将来のキャリアパスの確認
主任や園長など、キャリアアップの制度や研修体制が整っているかを調べる。
複数の選択肢を確保
1つの園に絞ってしまうと不採用時に後がなくなるため、複数の候補を用意しておくことが大切です。
- 第一希望・第二希望・第三希望まで設定
- 内定のタイミングを調整:複数の園から同時期に結果が出るように応募をずらすと選択肢を広げられる。
- 比較検討のための資料作成:給与、勤務時間、通勤距離、園の雰囲気などを表やメモで整理し、客観的に比べられるようにする。
転職エージェントの活用
転職エージェントを利用することで、以下のメリットがあります。
利用メリット | 内容 |
---|---|
非公開求人にアクセスできる | 一般には出ていない好条件の求人を紹介してもらえる |
専任アドバイザーによるサポート | 履歴書・職務経歴書の添削や面接対策を無料で受けられる |
条件交渉の代行 | 給与や勤務条件を直接伝えにくい場合でも、アドバイザーが代わりに交渉してくれる |
面接日程の調整 | 複数応募しても、日程を調整してもらえるため負担が減る |
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まとめ
保育士の転職活動は、準備から内定・入職までおよそ2〜4ヶ月かかるのが一般的です。そのため、スケジュールを意識して計画的に動くことが大切です。
特に重要なポイントは次の3つです。
- 希望条件の優先順位を明確にする
例:給与・勤務時間・通勤距離・園の方針など、譲れない条件と妥協できる条件を整理しておく。 - 幅広い情報源から求人を収集する
公式サイトや求人サイトだけでなく、口コミや園見学の印象、さらにはエージェントを通じた非公開求人も確認すると安心。 - 面接では人柄や価値観も重視される
保育観や子どもとの関わり方など、自分らしさを具体的なエピソードで伝えると好印象につながる。



転職はキャリアだけでなく人生に大きな影響を与える選択です。しかし、適切な準備と戦略を取れば、理想の職場に近づけます。
特に、転職エージェントを活用すると「非公開求人の紹介」「条件交渉の代行」「面接サポート」など自分一人では難しい部分をサポートしてもらえるので、効率よく安心して活動を進められます。
自分に合った職場探しをスムーズに進めたい方は、ぜひ転職エージェントの利用も検討してみてください。
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